「冬季うつ(季節性うつ)」をご存知でしょうか?
欧米では「ウィンターブルー」と呼ばれる症状で、
北国の厳冬期の日照時間が少なくなるときによくみられる症状だそうです。
(北欧など日照時間が短い地域での症例が顕著だそう)
わたしは北海道移住後に初めて知りました。
というのも移住してから、
気がつけば毎年決まって1月末から1~2週間不調になっており、
友だちに教わって知りました。
全国的によく耳にする、
春の終わりによく話題になる「五月病」などのイメージに近いのかもしれません。
この記事では北海道のような北国での暮らしにおける、
冬季特有の不調の前兆や対策についてまとめていきます。
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冬季うつとは?
冬季うつは正式には「季節性情動障害」と呼ばれ、
一般的に日照不足により引き起こされる季節性の不調とされています。
症状としては「気分の落ち込み」をはじめ、
からだの「だるさ」や「抜けにくい疲労」、「頭痛」なども引き起こされるとのことです。
さらに「過食」や「過眠」、「イライラしやすい」などなど、
生活のさまざまなところで症状が確認できるようです。
(今自分で書いていて、不調の時の状態としてほとんど当てはまっていました。笑)
完全な解明には至っていないそうですが、
メカニズムとしてはまず日照時間が短くなり、
日光を浴びる時間が低下することで睡眠に関わる「メラトニン」の分泌が阻害されます。
すると主要な脳内伝達物質の「セロトニン」や「ドーパミン」の分泌も、
減少してしまうことが原因と考えられているそうです。
とくに精神や体調の安定につながる神経伝達物質の「セロトニン」系が減ると、
抑うつ状態になりやすいとのこと。
冬季うつ(季節性うつ)のはじまりと終わりの時期
一般的に冬季うつ(季節性うつ)は、
日照時間が著しく変化しはじめる10月~11月にかけてはじまるとされています。
その後は年が明けた3月頃、
日照時間が長くなるころに回復しはじめるというサイクルを経るとされています。
(比較するとわたしの場合は1月末から2月のはじめ頃だけなので、
比較的軽い方なのかもしれません)
個人的な体感として思いつくところとしては、
12月中は「クリスマス」や「年末年始のお休み」など楽しいイベントが多いことに加えて、
日光にあたっていた「夏の間の貯金?」があるからなのか、
決まって1月末から辛くなってきます。笑
厳冬期は特に雪国は曇り空が多い上、
寒くて外に出る気にもなれなくなりがちです。
(とくに昨今は出たくても出にくくなりましたね)
日光を浴びることができにくいという悪循環に入るように思います。
一般論と効果の実感したものについて、
下記へ備忘録的にもまとめておきたいとおもいます。
冬季うつ(季節性うつ)対策その1:日光をあびる
日照不足が大きな原因ですので、
やはり日光を浴びることが推奨されています。
「高照度光療法」という治療法があり、
2,500ルクス~1万ルクスの照度で人口の光を30分~最大2時間ほど照射するというものがあります。
自然光での2,500ルクス~1万ルクスの光は、
雨の日でも5,000ルクス、
くもり空だと10,000ルクスの日照が期待できるとされています。
案外好天でなくてもOKなんですね。
また真夏の晴天だと100,000ルクスにも達するのだそうです。
したがって、ほとんどない晴れの日をはじめ、
曇りの日でも日中に30分以上歩けると効果が期待できそうですね。
気象庁によると、
2021年の札幌の日照時間は2,049時間と例年よりかなり長くなっております。
全国平均が1900時間後半なので、なかなかの日照時間があったようです。
(ちなみに北海道は広すぎて各「管内ごと」に日照時間などのデータが開示されています)
冬季うつ(季節性うつ)対策その2:運動をする
呼吸をはじめ、歩行や昇降運動など、
一定のリズム運動がセロトニン系に良い刺激を与えるとのこと。
実際に気分が落ちているときに実践すると、
なんとなく落ち着いてきて気分が上向きます。
ただ、実際に外出するのは結構難しかったり、
物理的に出られなかったり(2021-22の冬は本当にすごいですね…)するうえ、
おいしいものも多いので毎回けっこう太ってしまっています…(´;ω;`)
(思えば過食でストレス発散しはじめる傾向にあるのかもしれません)
室内でできるものがあるとはかどります。
踏み台昇降などのアナログなものでもいいですし、
ニンテンドースイッチソフトの運動できるゲームもおすすめです。
リズム運動にもなる「フィットボクシング」をはじめ、
ランニングと筋トレになる「リングフィットアドベンチャー」がおすすめです。
ダイエットがてらにも運動習慣ができると体も頭もすっきりします。
運動ができない場合は「ガムを噛む」
天候をはじめさまざまな事情で運動ができない場合は、「ガムを噛む」のもおすすめです。
ガムを噛む顎の動きで脳の血行がよくなり、前頭前野の動きも活発になることがわかっています。
なにより、ガムを噛むことで血中のセロトニン濃度が上がってセロトニン量が増えるという研究結果があるため、
冬季うつの原因であるセロトニンの減少に対して効果が期待できます。
冬季うつ(季節性うつ)対策その3:タンパク質を取る
3つ目は、抑うつを引き起こす、「セロトニンやドーパミン系の不足」に対応するため、
たんぱく質を多く接種するように注意することです。
というのも「セロトニン」や「ドーパミン」はいずれもタンパク質からできているためです。
厚生労働省発表の成人一日のだと、
ご自身の体重かける0.66グラム数のタンパク質が必要とされております。
平均して「男性で65グラム」、「女性で50グラム」の摂取が必要とも言われています。
(高齢者の方だともっと必要という説もあるようです)
ゆでたまご一個でタンパク質がおよそ6.8グラムだそうなので、
思い返してみて実際にそんな量が毎日食べれているか考えると、
ぜんぜん取れていないことが実感できます。
毎日の食事にプロテインを導入すると楽にタンパク質不足が補えます。
また副産物として、タンパク質は空腹を抑える効果があるそうで、
過食を防ぐのにも効果が実感できました。
セロトニンの材料、「トリプトファン」を取る
また「たんぱく質」と一言にいっても、
20種類のアミノ酸から構成されています。
さらに20種類のアミノ酸は、体内で生成できない「9つの必須アミノ酸」と、
「11個の非必須アミノ酸」で構成されています。
その中で必須アミノ酸のひとつである「トリプトファン」が、
冬季うつに関わる重要なアミノ酸の一つである「セロトニン」の原料になってきます。
「トリプトファン」をが多く含まれるたべもの
下記にトリプトファンが多く含まれる食品をまとめています。
トリプトファンが多く含まれるたべもの一覧(100グラムあたり)
豚ロース肉280mg
カツオ | 310mg |
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牛、豚レバー | 290mg |
まぐろの赤身 鶏むね肉 | 270mg |
しゃけ | 250mg |
いわし | 220mg |
アーモンド くるみ | 200mg |
木綿豆腐 | 98mg |
豆乳 | 53mg |
牛乳 ヨーグルト | 40mg |
そのほかに、ホエイプロテインは牛乳由来で栄養が圧縮されているため、
一回の摂取で効率的にトリプトファンが多く取れます。
冬季うつ(季節性うつ)対策その4:ビタミンDを取る
ビタミンDは脂溶性のビタミン類の一種で、
もともとはカルシウムの吸収を助けて骨を強くする作用で知られています。
また近年では免疫の強化にも役立つとされており、
「セロトニン」の調節機能があることが言及されています。
こちらも日光を浴びることで体内で合成が促されるため、
日照不足の冬に足りなくなりがちですが、
タンパク質と同じく、サプリメントで補給するとかんたんにとれますのでおすすめです。
同じく脂溶性のビタミンKと一緒に取ると一般的に、
代謝吸収が良くなるとされているため、複合されているものが特におすすめです。
おわりに
冬の時期の原因のわからない体調不良で悩んでいる場合は、
ひょっとすると日照不足を大きな原因とする「冬季うつ」かもしれません。
特に本州から雪国に越して来て間もない冬の頃は、
慣れないことも多いです。
自分に合う継続できる体調管理方法や習慣を見つけて実践していきましょう。